飲食接客英会話 fatty
旅行先でのお話
居酒屋で一人で飲んでいたら、後ろのテーブル席に外国人の2人組が座った。
Arigato とか、Sake とか話せているので、基本は抑えているようで、お店の人間が全く英語がダメでも通常問題はない感じだった。
いろいろ頼んでいたが、その店には馬刺しがあって、どうやら、それを一つの目当てで来たらしい。
担当のおばちゃんは、明らかにからっきし英語ができない様子だが、彼らはメニューを指さした上で Horse meat とか言っていたので、「馬刺しだね、いいよ、あるよ」などと対応して一見事なきを得そうだったが、悲劇はその後だ
「はいはい、で、シモとアカミどっちにしますか?」
と、そのオババはきっぱりと彼らに言い渡したのだった。
「シモ」
なんていきなり言われてたって、俺だってわからんぞ…
Well, shimo…? のような微妙な間があり、彼らはやむなく困惑の表情を見せることで、オババの次のアクションを期待したのだが、オババはオババで固まっており、沈黙のお見合いの状態に陥っていった。
やがてオババが
「えとね、シモっていうのはね、霜ね(音は同じ)、霜降りね、霜降り。赤身は赤身ね。」
と、ほぼ何も解決しない説明を始める。
「霜降り」という日本語も彼らには酷すぎる。破滅的な状況になった。
ここで、大きなお世話だろうが助けてやろう、と思ったのだが、オババは素早く他の若い店員を呼び、押し付けてしまった。
押し付けられた店員は大学生のバイトような感じだったので、なんとかなると期待されたが、どうやら英語は全くダメそうであった。無茶苦茶な説明のオババもアレだが、彼からは完全に何もアウトプットされない。
そこで、助けに入った。
確かに「霜降り」をさらっと説明するのは慣れていなければ難しいだろうが、まあ、お店の人気商品だし、
fatty
という1語だけ知ってれば済むことだった。
飲食の道に進むかどうかは別として、バイトする学生は多いんだから、学校でもそういう「実用的な」英語を教えたらどうかね。
彼らはめでたく霜降りの馬刺しを堪能し、もう2皿おかわりをしていた。良かった良かった。
YOSHI