Maybeその使い方大間違い
スクールに来て、目から鱗というか
「えー!そうだったんですか。知らなかった〜」
ということは皆さん多い。たとえ上級者でもだ。
こちらも、そういうリアクションが楽しいから、…ではなくて、タメになるからネタとしてレベル別にたくさん持っている。
maybe
という単語、というか言い方がある。英語が全く話せない人でもなぜか知っている「メイビー」。
知ってはいるけど、というか単語自体を知っているからこそ、間違った使い方をしている人が恐ろしく多い。なんか使いやすいからだろうね。
ところで、関西の人、特に京都の人に多いと思うが
「知らんけど」
と必ず最後に言う人がいませんか?
もうお分かりだね。
“Maybe” = 「知らんけど」
である。
“maybe” は「たぶん」ではない。
「たぶん」は “probably” です。
つまり
“maybe” は ”無責任” な言い方である。
ちなみに、京都の人が無責任と言っているわけではない。むしろ「責任は取れないので、そこのところご理解しておくれやす」ということをちゃんと言っておこう、という責任感から出た言葉ではないかと考えている。
さておき、”maybe” はどう無責任なのか。
A: Are you coming to our party tomorrow?
B: Ya, maybe.
この場合、Bはパーティーに来る気はない。
もし、Bが「たぶん行く」のつもりで、間違った”maybe”の使いかたをしていて、ほんとにパーティーに来たら、相手は驚く。
A: Hey, it will rain this evening, right?
B: Ya, maybe.
Bは天気予報を見たわけでもなく、むしろそんなの初耳である。
実は英語を勉強している日本人が使っている”maybe”のほとんどは”probably”でなければいけないやつなのだ。
それはそれとして、この「無責任な」”maybe” は便利なものでもある。
A: Are you coming to our party, tomorrow?
B: Well, maybe…
“well”でちょっと間を置いて、苦笑いしながら “maybe” といえば、やんわりと断るニュアンスが出る。しっかり意思表示されており、相手も、「ああ、来ないんだな」と理解する。これは英語圏の暗黙のルールである。
A: Heeey, you know what? She gave a chocolate to all the boys! Crazy, isn’t it????
B: Ya, maybe.
この”maybe”は「はあ…」とか「知るかい」とか「知らんわい」というニュアンスで、話がアホらしすぎて相槌打つのも面倒くさい時に適当に使える便利ツールでもある。
なんか “maybe” が姑息な悪者みたいなニュアンスになってきたけど、いい使い方を一つ。
「なんかさあ、これって神様が助けてくれたのかも」とか言う時に
Maybe the God helped me…
とかね。
The God helped me. って言い切っちゃう人もいるかもだけど、宗教のない自分なんかにはなんかヤバい感じに聞こえるよ。ましてや、probably なんか使ったらジョークの余地も消えてかなりヤバい。自分だったらあとずさりするね。
英語は日本語と比べ白黒はっきりしていると言われ方もするが、このように微妙なニュアンスはしっかり出せる。もちろん、日本語(日本人、日本文化と言ってもよい)のように、そこに深読みが必要になることはあまりない。ルールの上で理解はしやすいようになっていると思う。
“maybe”が日本人に誤用されるのには、”probably”という単語が発音しにくいから覚えにくい。という理由もあるかもしれない。潜在意識で「”maybe”言うとけばええやん、楽やし。知らんけど」的な何かが日本人専用の「メイビー」を作ってしまったのかも。
知らんけど。