SNS英語コンテンツに潰される勉強好きの人々
「ネイティブはこう言いません」
とか
“Don’t say XXXX.”
というのが流行り、というか、まあ大昔から書籍スタイルでもあるものなんだけど、SNSでよく見かけるよな。
これに飛びつく人が多いのは当たり前で、発信側はそれを知っているからやっているわけだ。
「ネイティブは他の言い方もする」
が正しいのであり、つまりあのキャッチコピーは大ウソ。しかし、内容そのものは正しいし教育的だから、少しウソついてもいいだろう、という感覚で長年許されてきているのだろう。
さて
英語の「勉強」にものすごく情熱を傾けている人というのは少なからずいて、時間もかけている。それはもちろんいいことだが、その貪欲さが上達を妨げているケースがある。
「それってあなたの感想ですよね?(ひ)」
と言われるとアレだから、一応「あると思う」としておくが、まあ、ある。多い。非常に多いよ。年齢が上がれば上がるほど多い。
そう、アレに飛びついちゃう人々のハナシをしているのだ。
超上級者はもちろんいいんだよ。普通に流暢に喋れるんだけど、英語母国語ではないってだけの人々ね。
初級者は「ハァ?」って感じだろうから大丈夫。害はない。
問題は中〜上級あたりの人々だ。
上級者たって、「勉強中」レベルだと、つまり思うようには喋れないってことでしょう?
基本的なフレーズでもろくに喋れないのに、日々変化していくようなネイティブスピーカーのカジュアル表現を次々に詰め込んでいってどうするの?
しかも、アメリカ、イギリス、その他いろんな表現を詰め込んでいってどうするの?
そういう無駄な時間、あるいは無駄な思考を使っているからろくに喋れないんじゃないの?
あと、ろくに喋れないようなコテコテの日本人がそんなフレーズ使ったらどう思われるか想像できるでしょう。滑稽でしかないぞ。コメディアン気質の人ならいいけどね。
さて
さっきも書いたけど
「ネイティブはこう言わない」
みたいな書籍などは大昔からあって、それは一般書籍の
「誰も知らない〜の世界」とか「〜だけが知っている〜」みたいなのと同じ。
目を引く、ウケる、売れる
そりゃあ売る側はガンガンいく。ユーザに役立つかなんか全く関係ない。
英語コンテンツも同じ。いまこうしていちいち言われなくたって、まあ冷静に考えたらわかると思うけど。何かに”熱心な人”と言うのは新興宗教信者と同じで、周りが見えなくなっちゃう傾向がある。
勘違いしてはいけないのは
そういう表現をたくさん知ったことを、自分の英語が上達した、ということに安易にすり替えてはいけない、ということだ。
その行動が上達を妨げる可能性を知っておいてもらいたい。
そうは言っても
モチベーションとしては”知識”を得るのはいいと思うので
まあ、ほどほどに
Don’t say “Thank you.” とかやってんの見たら
「うるせーよ」
くらいの反応でいい。観てもいいけど憶えなくていい。
個人差はあるにしても、シンプルなフレーズ2パターンずつだけで(「2パターンずつ」と言うのは自分の教え方ね)、とにかく反射的に喋れるようにして、できるようになったらバリエーションを覚えて使っていく。というのがESLが話せるようになる王道だと思いますよ。バリエーションより先に、声のトーンや、表情、ボディランゲージなど、やることはありすぎるほどある(日本の”上級者”はこれができない)。
Yoshi