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sorryにはaboutかforかどっち?教科書ではわからない前置詞その2

これは生徒さんにも聞かれることが多いやつ。

うちのスクールは基本的に英語でレッスンをしているので、「どっち?」と言われると

“Depends.”

と答えることになる。

周りくど言い方になったが、さりげなくこういったやり取りのフレーズのワンポイントレッスンを組み込んでしまうのがこのブログですね。

さて、本題。

つまり、「状況による」のです。aboutもforもどっちもあり。どっちでもいい時もある。

ではまず、よく使うフレーズを書き並べてみよう。

と、その前に。

sorry は「謝罪」を表すのによく使われるが、「同情」を表すのにも使われる。

「同情」の方は用法が曖昧ではなく、ビシッと決まっているので注意!これ重要。

なので、まずはちょっと曖昧な「謝罪」に関して語ります。

まず

I’m so sorry for confusing you.

何かの話をしていたが、ついごちゃごちゃ話してしまって、しかも言い間違いしたりして、相手が「???」となっちゃって理解してないことがわかった時などによ〜く使うフレーズだ。”for”は動名詞の”~ing”と相性がいいからしっくり来ますね。これは”about”は使わない。

もう一つ

Sorry for the late reply.

メッセージの返信が遅れたときに、必ず使うやつだ。これも”for”だと思うけど、ネイティブが”about”使うのも聞いたことがあるかも…

では次

Sorry about the other day.

ちょっと前にお店とかに来てくれたんだけど、バタバタしちゃって話す時間もあまりなく、「あの日はごめんね〜」みたいな時に使う。これは”about”を使うね。”for”はない…(*後述)

違いはあるだろうか。

最初の”for”の方は、直接自分がしたことを謝罪している。一方の”about”の方は謝罪しているんだけど

自分がしたことではなくて、状況についてのものである。
自分が絡んでいるだけで、直接の原因は濁されている。
自分の責任は少なそうに聞こえる。

あたりが違う。

さっき(*)で言いきっちゃったんだけど、この理由は以下

Sorry for the other day.

とすると、これは「同情」の形になってしまうのである(「同情」については後で詳しく書きます)。

「あの日は残念だったね〜」

になってしまい、他人事で謝罪に聞こえず、非常に嫌なヒトのように聞こえてしまう可能性が大なのだ。これは困るよね。

さて、他の英語に詳しい人々はどう考えているだろうか。調べてみた。

自己責任は”for”、そうでなければ”about”のように考える人もいた。これは非常に惜しい。ちょっと数学的な解釈になるが

「直接責任がなければ”about”、そうでなければどちらも可能性あり。」だといい感じだと思う。さっきの(*)のところですね。

または

「責任の重さ」で”about”か”for”かを決める、という説明をする人もいるようだ。

なるほど、なるほど。でも、ちょっとそれはきっちり分けすぎかもしれない、グレーなのもあるしなあ、というのが自分の意見。

モノによっては”for”でも”about”でも、どっちでもいい、という意見も多い。これが一番しっくり来ますね。

I’m sorry for my bad behavior.

「態度悪くてスンマセンでした」

という、会社や学校での王道謝罪フレーズがある。

I’m sorry about my bad behavior.

は、あまり聞かない気もするけど、ネットを探せばかなり少数ながら出てきた。

「間違い」ってほどではなく「少数派」ということだろう。”about”だと少し責任の感じ方が軽く聞こえる、という意見もあるので避けるべきではあるけど、めちゃくちゃ神妙な顔していればそう感じられることはないはず。たとえテキストだとしても前後の雰囲気でカバーできるだろう。そうなると、ESLの話す英語だったら”about”のニュアンスなんて既に意味がないだろう。

ここらで一旦まとめると

後に続くのが動名詞の場合は”for”一択となる。自分に直接責任がない場合は”for”は使わず”about”を使う。これは「同情」の形になってしまうのを避けるため。”for”でも”about”でもどっちでもいい時もある。ただ「慣例的に」”for”が好まれたり”about”が好まれたりする用法があり、そういうのはそれに従った方が「無難」である。

ということかな。

ちなみに、調べてて自分が一番いいな、と思ったのはこのリンクのRachelさんの意見でした。

https://thegrammarexchange.infopop.cc/topic/sorry-for-about

さあ、あと少し。最後に「同情」の方を説明する。

I’m sorry for your loss.

「お悔やみ」ですね。定番フレーズです。

これは”about”には置き換えられない。絶対に”for”で言います。

I’m sorry for him.

「彼、かわいそうに…」も絶対に”for”

Heeey, welcome to Melbourne, Yoshi! I’m sorry for the weather ha ha.

夏なのに(メルボルンでは12月ね)めちゃくちゃ寒くて、こう言われたことが何度もある(笑)
笑ってるけど一応同情している。絶対に”for”

絶対に”for”なのです。これが「謝罪」と混ざらないかって?内容的に普通は大丈夫です。また、同情で動名詞は来ません(動名詞の主語は必ず本人になるため同情には聞こえない)。

もう一度まとめると

*絶対”for”を使う
「同情」を表す場合
 動名詞が続く場合

*絶対”about”を使う
 自分に直接責任がない場合の謝罪(自動的に軽めになる)
 これは「同情」と取り違えられるのを避けるため。

他はどちらでも良い。ただし、状況により、よく使われる方を知っているならそっちを使う。よくわからなければ、とりあえず気にするな。

しかし、言い慣れて自然に出ることが大事ですよ。

Yoshi