オミクロン株登場で日本に帰れなくなる日?
ついに帰国の日が来た。
昨日はニューカッスルからはるばるロンドンまで、400km超のタクシーの旅だった。
各地に甚大な被害を与えた Storm Arwen も去っていったので、今日のフライトは大丈夫だろう。
今回のツアーは正直、演奏以外のことが濃すぎて、まだ頭がぐるぐるする感じだ。
TVをつけ、BBCを流して顔など洗う。
ざっくりいうと、コロナの新しい変異株、オミクロン株というのが既に英国内に入っており、市中感染が始まりつつあるということだな、昨日も聞いたぞ…
続いて、他の国々の対応が簡単にレポートされる。
ん?
んん?
むむむっ?
今なんか言ってたぞ?
日本は11/30以降の入国を拒否…
とかなんとか??
しまった、ちゃんと聞いていなかった。てかマジか??
テレビにかじりつき、うー、と唸っていると、我がドラマーからメッセージが入っているのに気が付いた。
日本の知り合いからのメッセージらしい。
なぁ〜にぃ?!
やっちまったな
…
まあ今日のフライトで帰れれば、強制隔離だとしてもまだマシ、と考えるしかない。
ネットで他の情報を探すと、首相の発表がいくつか出てきた。
この時点では、外国人の入国は拒否
日本人の帰国者については、現地を何時に出たフライトか、また、何時に日本に到着するフライトかで対応が変わるようであり、我々のフライトがどちらに属するのかが、曖昧であった。というか、多分アウトなんだけど、曖昧であると思いたかった、というのが正しいかもしれない。
まあ、こうなったら仕方がない。
それより
まずは帰国便のフライトに搭乗できるかが問題だ。
最後の検査を陰性でクリアしないと飛行機には乗れないのだ。
我々はこのマスクなしの英国で1週間ほど”普通に”生活し、しかも多くの人々と”濃厚接触”している。
ここでコロナ陽性となっても、全く不思議ではない。
*この時点で誰も知らなかったが、実はこの2日前にヘッドライナーを務めたフェスではクラスターが発生していたのである
仮に、偽陽性であっても帰れないのだ。
イギリス入国時にも検査をしているが、あれは抗原検査なので、実は偽陰性で、死んだコロナのカスはまだ残っていて、今偽陽性となることだって全くないことではないし…などと、どんどん疑心暗鬼で鬱になっていく。
パディントンまでタクシー、そこからヒースローエクスプレス、というおきまりのコースでヒースロー空港へ到着。
検査センターの掘っ立て小屋へ向かう。係の人に聞くと、入国時とは別の建物だという。そちらには割と人が並んでいた。日本人の駐在員家族といった感じの人々も数組並んでいて、これはきっとあの首相のアナウンスを受けてびっくりして急遽帰国を決めたのだな、と思った。受付では「予約してないんだけど、フライトに間に合わないので、早めに結果が知りたいんだ」と結構無茶なことを言っている人もいたが、係の人は欧米人にしては意外や意外「なんとかしましょう…」という対応をしているようだ。ブリティッシュホスピタリティここにあり。
今回我々が受けるのは、PCRではなく、LAMPというものである。PCRとほぼ同精度で、より早く結果が出る。日本での受け入れにも対応している、と日本の厚労省だか外務省だかのページに書いてあった。検査方法が対応していないと、日本まで行って入国拒否された例がある、とかいう話がネットにあった。まあ、大げさに書いてるんだろうけど。それにしても、日本のエライ人が書く説明は本当にわざとやってると思えるほど的を得ずわかりにくいよなあ。
とにかく油断はできないので、LAMPでも日本入国大丈夫ですかね、と再度確認すると。問題ない、という。
もう信じるしかない。
オミクロン全盛の今、日本でやっている検査は唾液をとって検査するものが多い気がするが、少なくとも当時のイギリスでは係の人に鼻の中をコジコジされるパターンであった。しかし、係のお姉さんや兄ちゃんは流石に慣れており、不快な感じもなく、くしゃみも出ず、こちらも検査も2回目となれば慣れたものである。
しかし、検査結果待ちの時間というのは慣れるものではない。大丈夫だろう、とは思っていてもそれは自分の希望でしかなく、確率は常に五分五分のようなものだ。
検査が終わり、空港の片隅に空いている椅子を見つけ、そこで本を読んだりして待っている我々は言葉少なであった。まあ、関西人の我がドラマー以外はいつもあまり喋らないが。
その間自分は、新しいアナウンスが入っていないか、正確で詳細なニュースが出ていないか、日本の状況をネットでチェックしていた。しかし、的を得たものはなかなか出てこない。
日本というのはそういう国だ。自分たち以外のことはろくな報道をしない。
それには慣れているが、こういう状況では非常に困る。
なんだかんだで、2時間が経とうとしていた。
メールの着信がきた。
Negative (not detected)
あーーーーー良かった。
ちなみに、数回前の記事で、英国式の日時の記述順について書いたが、ここでもそれがわかるだろう。
さて
他の2人も陰性で、めでたく揃って搭乗できることとなった。大きな山は越えた。
しかし、この先には日本の水際対策の激変が新たに立ちはだかっている。
ここからどうなっていくのだろうか。日本に着いたらどんなところに連れていかれるのだろうか。
頭の中にはなぜかドナドナの歌が
ドナドナド〜ナド〜ナ〜🎵
しかしそれでも今はとにかく帰国したいかなあ、と思った。もう疲れたよ。
tbc