コロナ禍のロンドンの街は?
入国2日以内に受けることが義務付けられている検査を到着すぐに済ませた我々はとりあえず宿に向かうことにした。小腹は空いているのだが、朝7時到着だったので、空港の店がまだあまり開店していなかったのだ。
今宵の宿はKings Cross駅の近くの安いホテルである。ここは明日はニューカッスルに移動するので便利で、自分がいつも泊まるエリアで土地勘がある。
まずはヒースローエクスプレスでパディントンへ。2年ぶりでも大きな変化はないと思ったが、細かいところはコロナ仕様になっていたりする。例えば、チケット購入にはなるべく非接触なシステム。また、現金が使える販売機もかなり少なくなった。
ヒースローエクスプレスは立つほど混んではいなかったが、席は埋まっている感じで、時間帯を考えると、通常時とあまり変わらないだろう。
乗客は比較的ちゃんとマスクをしている。これは旅行者が多いからだろう。隣のボックスで英語で会話をしている、国内旅行のお兄ちゃんたちもマスクをして話しているので、緊張することはなかった。
パディントンに到着。なんとなく懐かしい。ここからはタクシーに乗る。
イギリスのボンネットタクシーは以前から、強盗防止のために運転席とはアクリル板で仕切られているので、コロナでこうなったわけではないが、まあこれもお互い安心ではある。ただ、タクシーに関しては今後事情がかなり違うことがわかるのだが、それは次回以降のお楽しみ。
車内から街行く人々を観察する。
マスクをしている人もたまにいる。だーれもしていない、というわけではない。まあ、日本から来たばかりの自分には多少異様な光景である。
人出も普通の、いつものロンドン、という感じだ。入ったことがある店などがちら、と見えたり、多少の感慨を覚える。
そうこうしているうちに、宿に到着した。
荷物を預かってもらおうと、呼び出すと、マネージャーらしいインドかパキスタン系のおっちゃんが出てくる。予約名などを告げると
「その予約は入ってないな〜」
とかいう。マジか。しかしすかさずWebサイトの予約確認ページとコードを見せると
「あ〜、ちょっと待って」
しばらくして
「あった、あった。OK」
ということで問題なし。非常によくあることである。
こういう時、英語がまともに話せない旅行者はどうするのだろうか。非常にアセるのは間違いない。ということで、英語は話せた方がいいですよ〜、うちのスクールに来ませんか〜?
さて
腹が減っていたのだった。
しかし寒い。気温は2℃くらいである。まだ10時くらいで、店もあまり空いていないのでどうするか、という話になったが、実は今回、もうすぐ使えなくなってしまう旧紙幣を新紙幣に変えたい、という個人的なミッションがあった。まずそれがしたいので、ぜひ付き合え、きっといいことあるよ、と他のメンバーに無茶を言うと、それでいい、ということで、まんまとそうする。
さあここでワンポイントレッスン
紙幣は英語で bill ですね。
しかし、イギリスの”紙幣”を bill というと英国人の中には
「違う!!」
と半ば怒ったように指摘する人もいる。
It is NOTE!
bill ではなく note なのだ!と(あるいは banknote)
bill という単語は日本語に訳してしまうと「紙幣」である。日本的に考えたら、イギリスのも広義の”紙幣”みたいに思うけど、実は bill が本来表す意味のものではないので
「No No No!」
となる。どう違うかというと、経済の話みたいになるので一気に飛ばしちゃうけど、重要な違いとして、イギリスのアレは
「仕様期限があって、切れるとなんの価値もなくなる」
ものなのだ。
日本の古い紙幣とかって、下手すると価値が上がって売ってたり、少なくとも、元々の表示金額のまま普通に使えるでしょう(嫌がられたり、不思議に思われたりはすると思うが、法律的に保障されている)。
イギリスではそれができない。それは あれが note というものだから(逆に note だからそうなの、という言い方も正しい)、期限が過ぎれば金輪際一切使えない。
自分は既に期限の切れた£10をたくさん持って困っていて、今回はロンドンで時間があるというので、それを持ってきていた。ついでに£20、£50は2022年9月には仕様期限が切れてしまうので、今回新しいのに替えておきたい。コロナのせいで次はいつこれるかわからない。
期限が切れても銀行なら両替できるでしょ?と思うかもしれない。
甘い。
両替できるのは英国内でたった1箇所!
Bank of England
ここだけなのだ。これは「三菱UFJ銀行」「みずほ銀行」のような社名ではなくて、いわば「日本銀行」のようなもので、多店舗あるわけではなく、たった1箇所。
だから、気楽にできることではないのだ。
大事なことだからもう一度言うけど
“英国内でたった1箇所”
大英帝国の威厳を感じるではないか。
ロンドンに “Bank” という名前の駅がある。Bank of England はここにあるのだ(これも逆に、これがあるから、Bankというのだが)。
そう言うわけで、Tube に乗って Bank 駅へ向かう我々であった。
tbc