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コロナ禍のイングランド銀行に現れた怪しい日本人

Hello. I’d like to exchange my paper banknotes for new ones…

と妙に滑舌よく、まるでBBCのアナウンサーのように申し述べた。プロレスラーのようなデカイ黒人のセキュリティに話しかけるのはやはり緊張するのだろう。

£20、£50、£10は紙だったが、ポリマー(プラスティック)に変わっている。£20、£50はまだ移行期間だが、£10は既に使用できない。

話しながら(プラスティックのやつに…)と言おうとしたが、待てよ、なんか変に聞こえないかね?と思ったので、濁して”new”にしておいた。

彼は俺をギロリと睨み、そしてじろじろと観察し、

「奴らも一緒か?」

と、うちのバンドメンバーを指差した。少し離れていたが、今この辺にいるアジア人は我々だけだからだ。

Yes. They’re my friends.

I mean… they want to do that, too?

とかいうやりとりがあり、ドラマーはちょっと両替するということで、2名だけ入れてくれることになった。通常の銀行ではないので、用のない者は入れないのだ。

入ると、すぐ持ち物を検査される。人の良さそうなおっちゃん2名である。

「じゃあ、荷物全部置いてって」

「え?あ、はい…」

「冗談、冗談、わはは」

みたいなやりとりがあり、なんとも唐突に柔らかい雰囲気である。

防弾アクリルで完全に防御された窓口が2つあるだだっ広い部屋に通してもらう。荘厳な建築なので、天井が異様に高く、威厳がある。窓口には誰も並んでいなかった。さすがイングランド銀行、という感じの窓口の上品なおじいちゃんに、用件を伝える。

「なぜ両替がしたいのか」「いくら両替したいのか」「パスポートはあるか」などなど細かく聞かれる。全て説明すると問題はなかったが、1点だけ、

In this case, we need a copy of your driving license, I reckon…
(これだとたぶん運転免許証が必要だなあ」

と意外なことを言われる。

イギリスにいて、日本独自の公的書類を求められる、ということはまずない。俺が初の日本人だったりして。

これがどこかの小さな両替所とかだったら、ちょっと不安である。日本の運転免許で何ができるかは謎だが、スキミングとか。東南アジアだったら「じゃあ、やっぱいいです〜」と帰るかもしれない。

しかし、ここはあの「イングランド銀行 Bank of England」様である。ワンチャンこのクソデカイ建物がまさか偽物で、俺は騙されている、ということもなかろう。

説明を聞くと、両替の金額がそこそこあるので、居住国日本での現住所が必要らしい。確かに、犯罪と絡んでいるかもしれないしなあ。あとはよくわからんけど、国と国とのマネーの難しい協定とか?

そういうわけで非常に意外だったが、運転免許証は持っていたので提示する。

爺はそれを珍しそうに眺め、そしてじーっと見ていたが、

Sorry, where is the address part, sir?

あ、なるほど

そりゃそうだ。日本語が読めないから、どこが住所かわからないのだ。「公安委員会」とか、ごちゃごちゃ書いてあるものなあ。

そういうわけで、コピーをとってから、住所の部分はココね、みたいな印をつけた。それで一件落着。

時間はかかったが、丁寧に対応してもらって気分が良かったし、目的も果たし、満足である。

ドラマーはというと、とっくに終わっていて、金額が少ないため、「はいよっ」という感じで、あっという間だったらしい。

出口では先ほどのファンキーなおっちゃん2名に礼を言い、最後に外のセキュリティにも礼を言うと

Have a nice day guys.

と、あの恐ろしい感じだったプロレスラーが、ニコッとしてくれた。

イギリスはこういうのがイイ。

tbc