TOEICハイスコアへの道とは?裏技?
うちのスクールではTOEIC指導は基本的にお断りしている。
しかし、もう数年通われている生徒さんが今度受検したいというので、
”誠に不本意ながら”
現在、短期間限定で指導している。
この生徒さんは以前アメリカに住んでおられて、現在は英語に関わる仕事をされている。うちのスクールではさらに知識を増やしたい、という目的でいらしている。
今回、お仕事の方でTOEICのハイスコアを持っていると手当が出ることを知ったので、お願いできませんか?ということだったので、お引き受けしている。
ところで、うちではなんで「基本的に」TOEIC指導をしないのか。
いや、そういう指導は実は得意なんすよ。
ワタクシ、なんと某予備校で、某国立大受験のクラスを持っていたこともあるのだ。
むしろ、そっちの方が画一的で、頭も使わないで教えられるから楽。これマジで。
しかし、うちのスクールはあくまでも
「英語」
のスクールだと考えている。TOEICというのは実は英語がろくに喋れなくても900点以上取れる。
なぜか
何でもかんでも頭に詰め込んで、それを用いて高速な処理ができれば、なんなら満点でも取れるように問題ができている。
そういうふうにできているのだ。
実際にろくに喋れない950超えの人を数人知っている。それはかなり「頭のできが良い」人達だけど。まあ、そうでなくても普通の若い人であれば、850くらいなら取れる(歳をとると記憶力、処理能力、集中力の問題がある)。
もちろん、英語が自由に話せる場合は特に何も勉強しなくても850は楽勝。ただ、その上は気合いとか根性頼み。問題量が多いので、時間配分は重要だし、一生使わないような単語をアホみたい(ここ大事で、大人になると無駄なことはアホらしくて集中できない)に覚えなければ満点は難しいからね。
だから、TOEICのスコアだけでは、その人の英語スキルの内容はわからない。
そういうのって、ちょっとなあ、と思うので、うちでは扱いたくない。お金は儲かるだろうが、うちはそこを目指していない。
それに「何でも屋」というのはどんな世界においても、
「あまりよくない」
少なくとも自分はこれまでの人生でそう考えてきた。だから、TOEICはやらない。
とはいえ、生徒さんのためならば、チョットダケヨ、ということでね。
ちなみにこういうのって、
I’m willing to ~
という言い方がハマります。
さて、前置きが長くなったが、昨日のレッスンで生徒さんが持ってきた対策問題みたいなのがあって、穴埋めで
moreover
anyway
however
otherwise
のどれかを埋める、というものだった。こういう副詞の穴埋めはよくあるやつだ。
ちゃんと覚えていないので、簡単な例に変えてしまうが
You should attend the meeting unless you’re ( ) engaged.
のようなやつ。生徒さんは各副詞についてはちゃんと理解していたが、なんだかこの問題はよくわからないという。moreover を選んだんだけど(答えは otherwise)、間違いというのがすっきりしないという。
結局よく聞いたら、unless というものに慣れていないので、もやもやしてしまっているのだとわかった。もちろん、if ~ not ~ のような働きをする、ということくらいは理解していた。
では、if ~ not ~ と書き換えて考えてみたらスッキリしますか?と聞くと
「ああ、そうです。なんだ、簡単ですね…」
となった。ここで
「では unless が出てきたら、まず、if ~ not ~ と書き換えて考えてみましょう」
というのが一つの指導法であるのは間違いない。
しかし、先にも書いたTOEICハイスコアの道はそれだけではいかんのだ。
「この otherwise の用法は TOEIC 頻出なので、文章自体覚えて慣れときましょう。」
これも必要。頻出問題パターンを全て覚えてしまえ、ということである。こうしないと、時間が足りなくなってしまうので止むを得ない。自分は引き受けたからには、割り切ってそう教える。実際、こういう話し方はするし、むしろ英会話的なアプローチはこっち。でも
「これ、”出る”から」
というのがアレなんですね。
なんかもう「英語」とは違う、戦略とかの世界。昔の私立中学入試のような、ゲームの世界だね。
TOEIC というのはお金儲けの世界、企業が求める、学生、社員は受検する、運営母体が儲かる、英語の能力とはあまり関係なく、パターン化した問題を出せばいいので、出版社やスクールなどがそこにぶら下がり、みんな儲かる、儲かる。羨ましいですねえ。アメリカなどでも、TOEICのスコアで留学OKになってきたとこもあるというし。世の中カネだね。
先にも書いた通り、もちろん、英語力でハイスコアを持っている人もいるから、TOEICを受検すること自体は悪くはないと思う。
つまり「うちは蕎麦屋なんで、うどんは出さないよ!」のようなお話でした。
YOSHI